同窓会開催のノウハウ

立食形式にするか着席にするか

クロークの有無で判断するのも一つの方法

意外なところで、立食と着席、どちらを選ぶかという話が議論の種になりました。〈立食派〉の言い分は「着席にすると参加者が滞留してしまう。会場の両サイドに50席程度、椅子を並べておけばいいのでは」。対して〈着席派〉の主張は「3時間もの立食は疲れる。自分の椅子を確保して荷物置場にもしたい」というもの。

話し合いを経て、今回の同窓会では着席形式で落ち着くことに。会場にクロークがないため、「荷物置場として椅子を使いたい」という女子の希望が通った形になりました。たしかに女子の場合、持ちものの数からいってもたしなみの上でも、少なくともハンドバッグの一つくらいは持ち込みますからね。

ちなみに〈立食派〉が懸念していた参加者の滞留については、まったくもって無用の心配で終わりました。早い人は、乾杯前からあちこちテーブルを渡り歩いて歓談タイムに入っていましたから。

会費の決め方

主婦目線では8000円が一つの目安に

福井駅周辺にあるホテルのバンケットルームは、ここ最近リニューアルが相次いでいてきれいではあるのですが、いかんせん料金がかなりお高い。試算した結果、1万円の参加費が必至、ということになりホテルでの開催は却下となりました。

8000円という金額設定の決め手になったのは、女子……というか主婦の目線でした。男子からは「1万円でも来るやろ?」という声もありましたが、家計をやりくりしている(ことの多い)女子の目線はやはり厳しい。

会場を決めてから会費を割り出したのか、逆だったのかは忘れてしまったのですが、〈ギリギリ適正価格〉と受け取ってもらえる落としどころになったのかなあ、とは感じています。それでも伝え聞いたところによると「8000円は高かった」という声もあったそうで、なかなか難しいものですね。

参加者の集め方

「やりすぎ」ということはない ギリギリまで粘ろう

クチコミやDM、電話など、どれだけやってもやりすぎることはない、というのが実感です。

募集にかけるコストをおさえたく当初はクチコミ作戦で参加エントリー(仮登録)を促していたのですが、なにしろ1学年約450人、県外・海外組も少なくない……という状況でエントリー数もまったく伸びない。エントリーを始めて半年くらい経ったところで(2010年1月ごろ)、「このままではマジやばい!」とハガキ作戦を導入することにしたのです。

ハガキを発送したのは、同窓会開催の4ヵ月ほど前(2010年4月)。この時期を選んだのは、実家に送ればGWで帰省している同級生にも届くのでは?という読みがあったからです(実際にそういうケースは多かった)。しかし、予告なしで送ってしまうと〈テキトーなDM〉扱いされて、本人に渡る前に捨てられる可能性もある。そこで、名簿をもとに人海戦術で前もって電話連絡し、その後でDMを一斉発送するという方法をとりました。

それでもやはり、十分とはいえない結果でした。

実家に電話がつながって、事前にお願いしたにもかかわらず本人にハガキが転送されていない、転送されずとも同窓会の開催が知らされていないケースが多数あったと聞きます。同窓会のアナウンスは、どれだけやってもやりすぎるということはない、ということを痛感しました。

名簿を手配する方法

まずは、オフィシャルなルートで探索を

わたしたちの時代の卒業アルバムには、幸いなことに住所や電話番号が載っているのですが、なにしろデータが20年以上前と古いことこの上ない。なんとか新しいものを手に入れないと、DMを発送したところで戻ってくる確率が高いことが最初から分かっていました。

そこで白羽の矢が立ったのが、高志高校のオフィシャルな同窓会組織『みどり葉会』の存在でした。同会では数年ごとに、卒業生の名簿をアップデートするため現況確認の往復ハガキを発送しています。それが反映されたものを提供してもらえれば、最新とまではいかないにしても、卒業アルバムよりかは精度の高いデータを得られると考えたのです。

でも、卒業生からの申し出とはいえ、『みどり葉会』としては〈名簿の目的外使用〉になるわけで、話は簡単には進みませんでした。それでも粘って交渉した結果、わたしたちが確認した1988年度卒業生の現況を名簿に反映する、という条件で提供いただけることになったのです。今年がちょうど『みどり葉会』の名簿更新年だった、というタイミングも幸いしました。

名簿の提供にご尽力くださったご関係各位に、この場を借りてお礼申し上げます。

会費の集め方

意外と抵抗の声なく集まる〈前金制〉

できるだけ、前金で集めてしまった方がよいです。

理由は二つあります。一つは、バタつき必至の会場で100万円を超えるかもしれない現金を管理しなくていいから。もう一つは、参加者数(=準備すべき料理のボリューム)が事前に確定でき、会場やお店にとってもメリットがあるから。

「事前に振り込んでもらおう」という話が実行委員の間で持ち上がったときは、「わざわざ振り込んでまで来てくれるかな」との意見もありましたが、ふたを開けてみれば協力的に振り込みしてくれて、運営側としてはとても助かりました。

どの金融機関に口座を作るか、という点については、各地から参加者が来ることを想定してゆうちょ銀行を選ぶのがベストではないでしょうか。郵便局なら各地にあるし、振込手数料も銀行間の送金に比べて安くなるケースが大半を占めますから。

ただ、口座を作るのはちょっと煩雑に感じるかもしれません。同窓会実行委員会のような任意団体の場合、会の規約を作って郵便局に提出する必要があるからです。といっても、わたしの体験では郵便局にあった〈ひな形〉をもらえたので、イチから頭をひねって作る必要はありませんでした。個人的には、口座開設は大きい郵便局よりも街なかの郵便局の方がいろいろと相談に乗ってもらえていいのでは?と感じています。